ローマから北に約130km、所要時間は2時間弱、オルヴィエートからは約30分
デクニャーノ・デイ・バルビはワイン製造に適した素晴らしい環境の下、高品質のワイン製造を目指して、1973年に設立されました。
ウンブリア州でスパークリング・ワイン・トラディショナル・メソッド(1978年)とノーブル・ロート・ワイン「貴腐ワイン」(1981年)を最初に生産したワイナリーです。 貴腐ワインとは糖度の高い貴腐ぶどうから造られるワインで、さまざまな自然条件が整わないと栽培できないことから希少価値が高く、「ワインの帝王」とも称されます。素晴らしい香りと甘美な風味で、一般的にデザートワインとして食後に飲まれますが、よく冷やして食前酒や食中酒として楽しむこともできます。フランス料理では、フォアグラやブルーチーズとの組合わせが有名です。
デクニャーノでは1212年からワインが造られており、バルビ家はその伝統を受け継いでいます。 デクニャーノという名前の由来は不明ですが、ここは当時、Santa Maria di Decugnano 教会の土地で、オルヴィエートの聖職者のためにワインが生産されていました。
イタリア語では「Cantina カンティーナ」と呼ばれるワイン貯蔵庫を見学します。
1973年、創業者のクラウディオ・バルビは放置されたこの土地を見つけ、すぐに恋に落ちたそうです。そして、1978年に最初のワインを世に送り出しました。
殺虫剤や抗菌剤、化学肥料などの有害物質は一切使用していません。オルヴィエートを望むこの土地で、気候条件とブドウの状態に細心の注意を払い、生産者の愛情がたっぷり注がれたワインが造られています。
ここを訪れたのは11月で、残念ながらブドウの収穫はすっかり終わった後でした。
遠くの丘の上に見えるのがオルヴィエートの町です。
ワイン貯蔵庫の見学後、ブドウ畑の中を通って、洞窟の貯蔵庫へと坂道を下ります。
以前、瓶詰め作業で活躍していた道具が残されています。
ウンブリア州はイタリア半島の中央に位置し、唯一海岸線を持たない州です。海から遠いこの場所で想像するのは難しいですが、この一帯は鮮新世時代(約500万年前から約258万年前までの期間)の海底の土壌で、牡蠣や貝殻の化石が見つかります。温暖で夏は乾燥した気候、アペニン山脈から吹き付ける風、そしてミネラルを多く含んだ砂と粘土質の土壌は、海洋の風味でワインをさらに豊かにしています。
これは元は教会だった建物、きれいに修復して、今はここでワインのテイスティングができます。
ワイナリー内の見学からテイスティングまで、所要時間は2時間から2時間半、英語かイタリア語のツアーを予約することができます。
テイスティングとセットで提供されるライトランチの一例
オリープオイルはもちろん、自家製の食材を使ったワインによく合う品々が並びます。
ここが海の底だったという証拠、発掘された貝殻の化石と共に。
もちろん、ワインの購入も可能です。 赤、白、スパークリング、そして貴腐ワインの販売も行っています。